倭刀術班

 

 台湾に伝えられている「四路苗刀」という套路を中心に練習します。日本の古流剣術の型稽古は仕太刀と打太刀による組太刀が中心となっていますが、中国武術である苗刀の型稽古(套路)は、相手をつけずに単独で行います。

 

 「四路苗刀」は台湾を拠点に世界各国で活動している武壇国術推広中心(通称「 武壇」)で初級の武器術として練習されています。しかし初級に位置づけられているからと言って、決して底の浅いものではありません。

 

 武壇の前身である武学研究者の教練(コーチ)を務め、後に八極螳螂拳を創始した蘇昱彰老師のお話によると、一把の細身の刀を両手で扱う苗刀には中国武術の四大兵器とされる刀、棍、剣、槍の要素がすべて含まれているため、武器術の基本として最初に苗刀を学ぶのだとのことでした。しかし苗刀そのものは独立した武器術としても優れた内容を持っているので、取り組み方次第で非常に奥の深いものとなります。また戦国時代の日本剣術の影響を受けて生まれた刀術なので、日本の古流剣術などを稽古されている方は、比較研究してみるのも面白いかも知れません。

 

 

  

 

当会での主な練習内容は、苗刀の基本動作、「四路苗刀」の套路、套路に含まれる技法の意味を理解するための対練(相対練習)などとなっています。ただしソフト剣などを用いた乱取りなどは行っていません。

 

 苗刀は形こそ日本刀とそう変わりませんが、標準的な日本刀よりもやや長く作られています。そのため練習には通常の木刀よりも長く重い特注の木刀を用いますが、市販されている通常の木刀でも練習は可能です。

 

 また当会では補助的なものとして中国武術の槍、刀、剣、鞭杆(短棍)などの練習も機会を見て行います。

 

 

 

練習用木刀

 

 倭刀術練習用に特注した木刀です。

 全長四尺、柄一尺二寸。

 打ち合っても折れない太さで、反りを持たせて製作してもらいました。

 台湾で対練用に使われている木刀を参考にし、それよりも太く、対練用に木製の鍔を着脱できるようにしています。

 下は通常の剣道型用の木刀。